11月6日(土)
九月中旬に来伯した小泉純一郎首相がルーラ大統領と合意した、両国の有識者で構成される日伯二十一世紀協議会の具体的な日程が明らかになった。五日午後、石田仁宏サンパウロ総領事は記者ブリーフを行い、同協議会は来年四~五月に正式発足させ、再来年八月頃には提言をまとめる予定と発表した。
首相来伯による交流分野の成果として、二〇〇八年の移民百周年を「日本ブラジル交流年」として慶賀し、両国関係の幅広い発展のための契機とすることで両首脳は合意した。さらに、日伯二十一世紀協議会の設置にも合意した。
この協議会は、〇五年四~五月に予定されているルーラ大統領の訪日までにメンバー、日伯それぞれ五人を選定する。日本側はすでに政治家、学者、財界、元ブラジル大使などからほぼ選定を終えている。八月に来伯したばかりの上智大学外国語学部長、堀坂浩太郎教授なども候補に挙げられている模様。
日本での小泉首相との首脳会談で両国メンバーを発表し、正式発足する。その後、同年八月頃に同協議会の第一回会合、翌〇六年四月頃に第二回会合を開催し、八月頃に提言をまとめる日程が予定されている。
提言内容としては、ビジネス、人物交流、文化などあらゆる日伯交流促進に関するものが想定されている。同総領事によれば、「移民百周年の後をも考えたアイデア、提言がされるのでは」と説明した。
一方、州レベルでは、小泉首相が来伯した九月十四日付けのサンパウロ州令として、百周年委員会を設置する旨が発表された。それにより副州知事をトップとし、局長クラス四~五人、州議会代表一人、石田総領事などから構成される委員会が発足した。想定されている日系人メンバーを選ぶ会議が、近日中に州政府で行われることになっているという。
同総領事は「今回の首相来伯は、もう一段上の日伯関係に持っていくための、良い契機になったのでは」と語った。