11月5日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】十月度の輸入総額は五十八憶ドルを超え、単月はもとより本年累計でもこれまでの最高記録を更新した。反面、輸出も好調に推移し、十月の貿易収支バランスは三十億ドルの出超となった。輸入の急増について開発省は「経済復興の証し」だとし、企業の経営体力がついたことを強調している。さらに輸入額の増加は燃料の国際価格高騰が反映しているが、これに加え加工用原材料が増加しており、輸出や国内消費の需要が活発になってきたことを裏付けていると同省はみている。
十月の輸入は五十八億三千六百万ドル(日割換算で二憶九百八十万ドル)となり、これまでの最高だった一九九七年七月の五十七億八千二百万ドルを超えて新記録を樹立した。これにより本年一月から十月までの累計は五百十億ドルとなり、これまた九七年同期の累計四百九十一億八千万ドルの記録を更新した。
輸入額増加の原因は燃料および潤滑油の価格上昇で、昨年十月と比し七四・八%増となった。これは原油の国際価格の暴騰が反映されている。一月から十月までの累計では昨年比四九・三%の増加となった。十月単月ではこれらの輸入は十一億九千六百万ドルとなり、そのうち六億四千万ドルは原油だった。このほか、加工用原料が昨年十月比三七%増加、消費財が一九・七%増、資本財が三・五%増となった。これにつき開発省は、加工品の需要増加に生産設備増設のための資本財の輸入が伴ったとして、GDP(国内総生産)の上昇につながるものと歓迎している。また一般消費財の輸入増加も内需と消費者の購買力アップによるもので、喜ばしい結果との見方を強調している。
いっぽうで輸出も好調に推移し、十月は八十八億四千三百万ドル(日割換算四億四千二百二十万ドル)で三十億ドルの出超となった。本年累計では七百九十一億二千二百万ドルで、黒字は二百八十一億ドル二千百万ドルに達した。政府予測は黒字を三百二十億ドルとしていたため、四十億ドル満たなかった。輸出総額の予測は本年末まで九百四十億ドルとなっているが、同省は「易々と達成できる」との見通しを示している。
さらに同省では来年の輸出予想額は現在まで未踏の一千億ドルに達するとの見解を明らかにした。過去十二カ月間で九百十八億ドル強を達成している実績からするとそれは実現可能とみられている。そのためには国際価格が下落したら量でカバー出来るような生産体制の確立が必要との態度を示した。さらに本年累計での貿易額(輸出と輸入の総額)が一千三百億ドルだったことから、来年は一千五百億ドルを超えると予測している。