10月27日(水)
【ヴェージャ誌】外交官としては第一級の英米大使や国連大使を歴任し定年退官したセルジオ・C・コスタ氏は、レコルデ出版社から著書「知られざる戦争」アルゼンチン・コネクションを出版した。今だから話せるとして第二次世界大戦当時、南米で暗躍したナチス・ドイツの実態を語る。
英国のスパイとして同氏は四三年、亜国へ侵入したナチスの動向を探るため偽造旅券を使ってフアン・グッチレスの偽名でブエノス・アイレスへ潜伏した。
亜国はナチス・ドイツと三年間、外交関係があった。潜行中の出来事は、家族の誰にも一切秘密だった。当時のフアン・D・ペロン亜大統領は、ナチスの勝利に賭けた。戦闘開始後の五年目、ドイツの降伏とともに亜国も対独断交をした。同氏のその期間の活動記録は、極秘文書としてワシントンに保管されている。
同氏は、リオのスパイ学校で訓練を受けた。英国のエージェントからリオのアジトで、任務の内容を指令された。コリエンテ県出身の亜国人になりすまし、スペイン人女性をパートナーに、ドイツ系亜国人が恋人として当てがわれた。コリエンテの市街図や有名人、サーカー・チーム、選手などの情報を暗記した。
英米エージェントの支援で国境検問所を経ずに、亜国へ密入国。先着のスパイがラジオの使用法、ブラジルとの連絡法などを指導した。四五年四月二十三日ベルリンは陥落したが、亜政府は陥落のニュース報道や連絡の合図、口笛、サインを一切禁じた。