10月27日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十二日】米国の食糧メジャーがブラジルの穀物生産量を察知する前に、ブラジル政府は自国の収穫量を宇宙衛星で把握する必要があると、ロドリゲス農相がプロジェクト予算千三百七十万レアルを要求した。米政府は最新技術を駆使して、すでに上空へ偵察衛星を飛ばし、ブラジルの手の内を読んでいる。
プロジェクトの初期計画は、〇六年までに完成予定。技術革新でコーヒーやとうもろこし、大豆、サトウキビなどの収穫量が事前に計算される。政府機関は宇宙衛星の衛星写真の解読法を目下、模索している。衛星の旋回と同時に、穀倉地帯に何が起きているかを逐次、知りたいのだ。
プロジェクトに関心を寄せているのは、農務省、国立農業試験場(EMBRAPA)、国立食糧公社(CONAB)、大学、国立宇宙研究所など。現在は各機関の技師が、二カ月毎に現地調査を行う。また生産者や農業資材のセールスマン、農業保険会社などと情報交換をしている。できるだけ多くのデータを集めて収穫予想の計算を行う。
宇宙衛星が飛べば、作付け面積は正確に分かる。生育状況も分かる。同じような試みは、九六年にも行われた。降雨前後の様子や土壌の状態、気象予測もできた。新プロジェクトは各地域の生産者が、何をどの位いつ植えるかなど播種期日を記録する。農業技術の系統、潅漑の有無、播種法、土壌の準備法などで作付け状況を分析する。
宇宙衛星の活躍により収穫量は、一五%の差があるという。一五%の無駄が省かれ農業保険にも役立っている。従来の農業では、保険を融資額の一一・七五%も要求された。現在は、五%に下げられた。