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TV討論、非難に終始=サンパウロ市長決選=政見に目新しさなく

10月16日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】サンパウロ市長の決選投票に向けての初めてのテレビ公開討論会が十四日午後九時半、TVバンデイランテス局で行われた。両候補の主張は、これまで第一次投票での討論会で言い尽くされた感じで、目新しい進展はなく、各自の所属党や個人の非難の応酬に終始するという次元の低い政局討論会だった。マルタ候補が相手党のPSDBを感情的に激しく攻撃する〃動〃の態度に対し、セーラ候補は現市政に関し、数字を混えて質問しながら相手の乱れを突く〃静〃を一貫し、両者は対照的な姿勢を示した。
 冒頭からマルタ候補は攻撃的で、PSDBによるサンパウロ州の十年間にわたる施政およびカルドゾ政権の八年間は悪政だったとし、両政権ともサンパウロ市に何ら恩典を与えなかったと非難した。これに対しセーラ候補は、これまでの討論会でもマルタ候補は市政についての質問に満足な返答をしたことがなく、常に党の問題としてすり替えていると指摘した。またマルタ候補が「貧困層の味方だ」と発言したのに対し、セーラ候補は第一次投票ですべての階層での支持を勝ち得たとして余裕を見せた。
 今回の決選投票で注目されているマルフ氏については、両候補とも意識して名を挙げないように配慮していた。マルタ候補がセーラ候補の副市長候補に汚職の疑惑があると指摘したのに対し、セーラ候補はあえてマルフ候補の名を出さずに、マルタ候補の支持者には四件の疑いで検察の追求を受けている者がいると反論したに止まった。TV討論は今月二十八日にもう一度予定されている。