「彼は、れっきとした日系二世です」──。
ウイリアム・ウー市議を指して、肉親の男性が言い切った言葉だ。「台湾人男性と日本人女性の間に生まれたハーフ。でも、父親は旧日本軍の将兵だ」と力を込める。
大学を卒業したものの定職につかないでぶらぶらするウー氏。父は、とにかく働けと叱り飛ばした。新聞広告で息子が探してきた仕事は、〃3K〃の「死体運び」。
「どんな仕事でも尊いものだから、しっかりやれ」。父は嫌な顔一つせず、励ましたという。前述の男性は「子育てには厳しかった。それは日本流ですよ」。
市議選で約四万六千七百票を獲得したウー市議を含めて、日系市議四人が誕生した。移民百周年を四年後に控えるだけに、四人の仕事ぶりを注意深く見守っていかなければなるまい。(古)
04/10/7