10月6日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】IPISOS調査会社は、低所得層の消費習慣と考え方の特徴を調査した。ブラジルでの消費習慣調査は、高額所得層ばかりが対象で下層階級は見落とされていた。
IPISOSは、低所得者の消費習慣は気まぐれで特徴のないものと従来思われていたが、そうでないことが調査で分かったという。調査はサンパウロ市の九カ所で、五万人を対象に行った。
低所得層とは経済が活性化した時点で、世帯の月間所得を三百五十レアルから一千レアルとする。男性は所得の多少に関わらず、お洒落は食べるものも食べず収入のほとんどを服飾に費やす癖がある。
独立自営に挑む女性は、かつては経済的に恵まれていた。何かの事情で貧しくなり社会的地位の挽回に努める人が多い。
低所得層は時間を惜しんで時間外勤務などに励み、週末はシュラスコやピクニックなどで家族に穴埋めをする。低学歴の世帯主は、全般に金銭感覚が勝る。
低所得層の青年は、二通りに分けられる。貧しさに慣れて無気力な者や父親と同業に就き同じことを繰り返すだけのタイプとプラス・アルファーを求める者とである。
この後者のタイプは、有望市場とみなされる。ハングリーで意欲旺盛、一発当てれば成長株。社会的地位も上がり、立志伝中の人物になる可能性がある。
調査は高齢者が、家族の中心となって団結している家庭に注目するよう呼びかけている。中心の高齢者を大切にすれば、芋づる式に消費が伸びる。高齢者は、一族の意志決定者でグルーなのだ。
下層階級の八五%は、信心深い。六〇%は、ポルノ反対。七三%は、兵役義務を当然という。五九%は女性の役目を専業主婦とし、男尊女卑的傾向がある。
下層階級が経済的に豊かになったのは、レアル・プラン以後。この階層は少しでも収入が増えれば、即時に家電製品を購入する。芋を洗うような住宅で足の踏み場もない面積でも家電製品が増える毎に生きがいを感じ、幸福そのものだ。
最近の経済活性化で、下層階級に対する供給者の見る目が変わった。クレジット・カード企業も、世帯所得三百レアルから五百レアルの層を狙って営業戦略を練っている。
クレジット・カードが、よく売れている所へ家電系列店も進出を狙っている。これまでほとんど、顧みられなかったカイエイラ、ペルス、カンポ・リンポ、タボオンなどの地域だ。