10月6日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】高等裁判所の主催で一日、不正資金の洗浄阻止と国家資産の回収に関するゼミが外国からも関係者を招いて開催された。ルーラ大統領は開会の辞で、一部の政治組織や企業、銀行、司法機関がこれら犯罪組織をかばうきらいがあると訴えた。
これら犯罪人は仏様のような顔をして奉仕活動に励み、人々の尊敬を集め人格者のように振る舞っていると大統領は糾弾した。偽善行為は社会の目を欺くための演出に過ぎない。組織にとって社会奉仕は当局を欺く手段だ。
汚職や公金横領、脱税、麻薬密売、恐喝、詐欺、銀行強盗、誘拐拉致など犯罪行為で得た不正資金が、合法資金に鞍替えするため世界中を飛び回っている。洗浄の方法は無数にあり、場所はどの国でもよい。
正規の取引で得た利益のように経理処理をして帳簿上証明できれば、現実は何が行われようと構わない。租税協定の未締結国間では、海外送金のチェックが疎漏。不正資金の隠蔽に好都合なシステムを提供する地下銀行もあり体制万全。
ブラジルには不正資金洗浄(マネーロンダリング)防止法が九八年に制定され、専門機関DRCIもあるが同法は有名無実でザル漏れ状態。誰もが改正の必要を認めるが、犯罪組織が常に先をリードし妙案がない。
近代的な店構えと整然とした社内、一点非の打ち所もない企業だが、これといった商取引もない。これでよく採算が採れると疑ったら、マネロンに間違いない。犯罪が発覚して有罪となれば四年の禁固になるが、失われた国家資産は回収されたことがない。四年臭い飯を食えば、富豪になれると犯罪者らは考えているらしい。