10月5日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】三日行われた地方選挙でジョゼ・セーラサンパウロ市長候補とマルタ・スプリシ候補は四日早朝、開票の結果決選投票で競うことが決定した。九九%の開票終了時点でセーラ四三・五三%、マルタ三五・八五%という結果となった。事前調査の拮抗予想を覆し、セーラ候補はマルタ候補に予想外の8%差をつけた。他では、PTはサンベルナルド・ド・カンポ市長選で完敗。オザスコ市では、PTが決選に生き残った。
七百七十七万人の有権者が控える大票田、サンパウロ市の市長選挙は九九%の開票時点で次のようであった。主な得票はジョゼ・セーラ候補(PSDB)が、二百六十六万八百四十票。マルタ・スプリシ候補(PT)が、二百十九万千百六十票。パウロ・マルフ候補(PP)が、七十二万二千票。ルイザ・エルンジーナ候補(PSB)が、二十三万九千票。大衆路線を謳ったマルフ候補は、前回の半分にも満たなかった。
決選に向けた両候補の政見放送は、十八日から十一日間にわたり二十九日まで行われる。票集めに起用された有名人ラランジャや中傷作戦に使われたリングア・デ・アルゲルは、舞台から降り、二人だけの白熱戦だ。決選投票は三十一日。
決選に向け連立工作でしのぎを削るが、無党派票が意外に多く敗者票が連立候補へ入る保証は全くない。敗者票を集めても、当選できないという見方が強い。有権者の流れに、変化が起きた。大工事や雇用創出、公共サービスの空公約は最早、有権者の関心を引かない。当選の鍵は相手陣営を、いかに切り崩すかだ。
サンパウロ市長選は政局の流れを変えるとも予想され、ルーラ大統領もカルドーゾ前大統領も第一線に立ち陣頭指揮を採るらしい。「勝てば官軍」といえそうだ。
大統領は決選で、もしもマルタ候補が敗れるならば、直ちに内閣改造を行うという。マルタ候補を閣内に迎え、背水の陣を敷くようだ。ドゥットラ都市計画相の後釜に予定されている。ヴィエガ陸相も大使へ転出予定。ジルセウ官房長官は、地方選を原因とする改造人事に反対した。
サンパウロ市議会は現在のPT十六議席、PSDB八議席が大きく塗り替えられた。今回選挙でPTとPSDBは、ともに十三議席で同数となった。但し、PTBが四議席から七議席に伸ばしたのが注目されている。
全国の州都では、PTが大きな収穫を得た。一次投票で当選確実となったのは六都市、ベロ・オリゾンテ、レシフェ、アラカジュ、パウマ、リオ・ブランコ、マカパー。決選に入ったのが、サンパウロ市を始め八都市。
選挙結果による各党の表情は、PMDBが決選の結果次第では連立の見直しを行うという。大統領府が上院議長の人選で党内干渉を行い、実力者カリェイロ上議をないがしろにしたことで不満がくすぶっている。PFLではリオ市長にマイア候補が五〇・一%で当選を決めた。ブリゾーラ亡き後のPDTはPSBと連携し、三都市で当選、四都市で決選を競う予想外の結果となった。