「全体の奉仕者」、「公共の福祉」を根拠に、公務員や公共企業体職員の争議権は一律全面的に禁止されている。学生時代、公務員の身分について嫌というほど聞かされた内容だ。
この〃常識〃が、ブラジルにきて覆えされた。警察官や地下鉄職員などが、ストライキに入るからだ。サンパウロ州裁判所職員のストは二十七日に終わったばかり。九十一日間という最長記録も付いた。
もっとも日本でも、公務員は本質的には労働者だから、争議権を保障すべきという学説も有力。それが世界的な潮流でもある。ブラジルは、先進国なのかもしれない。
裁判所職員ストで、千二百万件の訴訟書類は放置、四十五万件の公判は中止、百二十万件の新規訴訟は放棄状態にあった。社会に与えた影響は計り知れない。 (古)
04/09/30