9月29日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十八日】九十一日間にわたり、最長記録となったサンパウロ州裁判所職員ストは二十七日、中止となった。職員側は三九・一九%のベアを要求し、裁判所側の一四%を一蹴していた。スト職員を職務放棄で処罰せず、欠勤日は有給休暇から差し引くことで、裁判所の案を職員側が受理し、妥結した。ブラジル弁護士会(OAB)の報告によれば、ストのために千五百人の拘置者が拘束されたままとなっている。
サンパウロ州裁判所職員ストにより、千二百万件の訴訟書類は放置、四十五万件の公判は中止、百二十万件の新規訴訟は放棄状態にある。裁判所がスト欠勤日減額と、職員規定抵触でスト職員を訴える手続きに入ったことを示唆した最後通牒を提示したことで、スト側が折れた。
スト職員の家族が、長期ストによるゼロ収入や職務放棄による解雇を恐れたことも中止につながったようだ。スト開始の六月二十九日は、ベア三九%の要求だった。裁判所側は七月、二六%まで譲歩する心算だったが州知事が拒否。二十日、裁判所側は一律一四%昇給を提示した。これで州政府の経費は四千万レアル増となる。
スト代表は二十四日、要求の七五%までで合意する考えだったが、裁判所側は即時職場復帰を命じ、強硬措置を示唆した。スト代表が要請した、スト期間中にたまった業務を緊急集中方式で処理してスト職員の懲罰を回避する案も裁判所は拒絶した。裁判所側の強硬姿勢にスト代表は狼狽した。
三ケ月間の無給はスト参加者にとって由々しき問題だ。裁判所職員の給料は、三カ月後の締め切り制だ。ストのしわ寄せは十二月、クリスマス頃に来る。裁判所は、有給休暇や職員クレジット、時間外勤務、プレミアム休暇などによる欠勤日の穴埋めを検討する。それでも不足する分はベア込み給料を先払いにして、後日の分割払いも検討している。
スト代表は、ベア要求交渉は継続するというが、タンバラサンパウロ州高等裁判所長官は、ストに対する行政処分の訴訟は終わっていないと言明した。すでに今回のストに関し十件に上る行政訴訟が行われており、各判事がスト参加者の懲罰審理を行うという。
一般職員は職場復帰で職務放棄罪は減じられるようだが、信任状を有する管理職員は処分の対象となる。責任ある立場の職員は、裁判所の権威軽視のかどで罰を受ける見通し。後日被告として召喚され、不謹慎な勤務姿勢や司法階級制度の軽視、司法制度の尊重精神欠落で審問されるようだ。
同長官は七月丸々ストに参加した職員は、給料ゼロの月があると通告した。ストを組織した幹部は連邦令により職務在籍は保証されるが、司法に対する無分別な名誉棄損罪は免れないと布告した。
これまで裁判所職員と親しかった弁護士らは、千二百万件に上る書類の山を前にして堪忍袋の緒を切った。OABが裁判所職員の職場復帰を呼びかけた声明書は二十七日午前十時、軍警が警備する中で発表された。OAB声明には、スト参加者の罵声が飛び交った。OABの声明書にはサンパウロ市証券取引所やサンパウロ州工業連盟、商業連盟、銀行連盟も連署した。