9月24日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】サンパウロ州での殺人事件が減少している。一九九九年の殺人件数は十万人当たり四十四件だったのが、昨年は三十六件となり一七%の減少を見せた。
一九八〇年代から増加をたどってきたが、一九九九年をピークとして、その後年々減少に転じた。関係筋はその原因について確たる裏付けがないとした上で、銃器所持規制法により銃器を手放したこと、規制によりバールが早めに閉店することで酔っぱらいの喧嘩が減少したこと、少子化で若者人口が減少したことなどを挙げている。
州立データ分析センター(SEADE)が昨年までのサンパウロ州内の殺人件数をまとめた結果、昨年から過去四年間にわたり発生件数が連続で年々減少していることが明らかになった。一九八〇年の十三件を皮切りに年々増加の一途をたどり、一九九九年は四十四件のピークから、二〇〇〇年から減り始めて昨年は三十六件(人口十万人当たり)となった。
殺人事件の九三%を占め、主役となる男性の被害者も一九九九年での人口十万人に対し八十三人だったのが、昨年は六十八人だった。
市別では、イタペセリカ・ダ・セラが八十三人とトップを占め、ジアデマが七十四・一人、クバトンが七十二・二人と続いている。麻薬取引や誘拐事件が多発して話題となったカンピーナスは二十位のランクで四十八・六人だった。
サンパウロ州以外のロライマ、マット・グロッソ、ゴイアス、南マット・グロッソ、パライバ、リオの各州でも二〇〇〇年から二〇〇一年にかけて、殺人件数の減少が報告されていることから、全国的な傾向に広がりつつあるとみられている。
サンパウロ州保安局はこの報告を受けて、減少の原因を分析し治安対策の指針とし各市に通達したいとの意向を示している。