ブラジルでは、有望なスポーツ選手のスポンサー(後援者)になってくれるように、と関係者が企業などに「お願い」して回っている。日系の選手も例外でない。日系の企業も要請され、それを受け〃奨学金〃を支給するかのように、アジューダした(している)ところも多いだろう▼選手生活を持続し、オリンピックや世界選手権大会などで頂上に立つには、選手個々のきびしいトレーニングが必要だし、トレーニングするために、費用がかかるのである▼日本は、さきにアテネで、かつてなかった数のメダルを獲得した。一説には〃支援部隊〃が強力に働いたからだ、といわれる。それは「食事の管理」「スポーツ医科学」「報奨金」だという。説明するまでもなかろう。食事と医科学の支援は、専門家がぴったり選手に張り付いて徹底管理、体調を万全にしたということだ▼牛肉とフェイジョン、アロースがあれば「ブラジル人は力が出る」というのは、昔の原始的な見方である▼報奨金に関しては、国力が影響する。女子マラソン勝者の野口みずきには、日本陸連と日本五輪委から合わせて八百万円の報奨金が出た。わが男子マラソンの英雄・ワンデルレイは「不幸なレースの感激」もあって、野口とほぼ同額のそれを受けられたようだ。レース前から提示されたものではない▼アテネには日系選手も何人か出場した。メダルには届かなかった。日本におけるような三つの支援があれば、メダル獲得が、あるいはかなったかもしれない。(神)
04/09/17