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日本経済界代表と懇談=小泉首相「〃環境〃整備したい」

9月16日(木)

 滞聖中の小泉首相は十四日午後八時半から約三十分間、市内のインターコンチネンタル・ホテルで、日本の経済界代表と懇談をした。懇談には首相と時期を同じくしてサンパウロ入りした槍田経団連日伯経済合同委員会日本側委員長はじめ十三人、ブラジル日本商工会議所の代表十二人が出席した。
 サンパウロ総領事館によると、槍田委員長は冒頭、最近の日伯両国の経済的繋がりは必ずしも力強くなかった、とし、背景として両国要人の往来が繁くなかったことをあげた。委員長は「(経団連は)FTAに関する検討開始を求め、最終的には締結を提案する報告書を五月にまとめた一方、ブラジル側全国工業連盟も八月に同趣旨の報告書を提出した。経済連携協定は、ただちに実現するのは難しいが、最終的なゴールとしてとらえ、民間としても何をなすべきか、よく考えて足固めをしていきたい」旨発言した。
 現地側は、対ブラジルビジネスの概況について説明。
 首相は「ブラジルは現在、政治、経済面が安定しており、友好関係をいっそう深めたい。日本の民間の方が一層活躍していただけるよう環境を整備していきたい」と述べた。さらに、同日の小型飛行機、ヘリを乗り継いだカンナ(さとうきび)農園視察について、ブラジルのアルコール燃料の活用、環境とエネルギー政策に学ぶことはできないものか、と考える、と感想を語った。
 このほか、経団連代表側から、在日ブラジル人子弟の教育の課題にきちんと対応する必要があり、経団連としても、何か具体的にできないか、検討しているところだ、との発言があった。