9月9日(木)
サンタ・カタリーナ州ラーモス移住地の農業従事、小川和己(75)さん=長崎県出身=が、平和活動や温帯果樹栽培での貢献を認められこのほど、同州からアニタ・ガリバルディ章を授与された。八月二十一日、フロリアノポリス市の劇場で開催されていたニッポ・カタリネンセ協会(新里ヨシカズ・エリージオ会長)主催の「日本の夕べ」祭りの席で受章した。同州の民間人が受ける最高の位の勲章で、日本人では小川さんが初めてのこと。
当日は、ルイス・エンリケ・ダ・シウヴェイラ州知事や、谷口カシオ・クリチーバ市長、小原彰元陸軍少将、ブラウリオ・バルボーザ同州保安長官など多数の来賓が集まり、小川さんの栄誉を祝った。
小川さんは六四年にラーモス移住地に入植。ネクタリーナを皮切りに、リンゴ、梨やシイタケなどを州の特産物にするため尽力。一方、ラーモス原爆被害者の会会長を務め、同移住地内に平和公園建設を提唱、完成は〇六年を予定する。公園内には被爆パネルや資料を展示する資料館も作られるという。
小川さんは今回の受章に対し、「立派な章を戴いて、身にあまる光栄。多くの人に祝ってもらえ、本当に嬉しい」
と同時に、「原爆体験や反戦に関する講演を方々から頼まれているところ。戦争の恐ろしさや平和の貴さを知ってもらうための講演や、パネル展示会を積極的に行なっていきたい」などと抱負を語った。
地元日系協会の新里会長は「サンタカタリーナ州に住む日系の誇り。州政府からルイス州知事が出席してくれたうえ、州警音楽隊の両国歌などの演奏で、式典は盛り上がった」と小川さんの受章式を振り返った。