9月4日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】ホームレス連続殺人事件の現場となったサンパウロ市中心部で二日午後、またも一人のホームレスが殺害された。捜査当局ではホームレスらの争いが原因と見ているが、連続殺人事件との関連も捜査している。
同日午後六時二十分、グリセリオ区ティシェイラ・レイテ通りのホームレス収容所付近でパトカーが遺体を発見した。身元は不明だが付近の聞き込みでホームレスと断定された。遺体の傍らで血こんの付いたこん棒が発見されたことから、警察では凶器とみて分析している。捜査課は連続殺人事件との関連を調べているが、事件が同じ現場の中心部であること、頭部をなぐられた一撃が致命傷となっていることが類似しているものの、前回の事件は深夜に発生したのに対し、今回は白昼だったこと、および前回の凶器は鉄棒で未だに発見されていないことから、関連性を否定する向きが多い。
いっぽうで連続殺人事件を捜査している殺人課では、有力な手がかりを得られないまま事件発生から二週間が経過した。同課では二日、容疑者として連行した市民を五時間以上取り調べた結果、誤認逮捕だったことが判明し、関係者のひんしゅくを買った。警察によると、手配中の通称パウリーニョと間違ったと説明しているが、身元確認の不手際と捜査の行き過ぎを非難する声が強い。
捜査当局は、事件当日の現場周辺での携帯電話通話記録の調査を裁判所に申請し、受理されたのを受けて調査を開始した。これについても関係筋は、たとえ携帯電話を使用しても証拠いん滅をしているとし、当局の後手後手に回る捜査に不信感をつのらせている。