在伯県人会の世代交代がどの程度すすんでいるかを計るのに、発行している「会報」がある程度ものさしになる。『ブラジル富山県人会だより』は、八月号が第二百十号だった。編集人は日本語一人、ポ語二人。四ページ建てで、ポ語の量が若干多いかナ、という感じである▼特徴がいくつかある。ポ語のページはイベント、会議などの通知、予告を細大もらさずやっている。理事会、青年部の月例会議、敬老会、〇五年の四十五周年祭典、留学・技術研修の問い合わせ案内、さらに異色は県人会と連絡を絶っている元留学生、技術研修員への呼びかけである▼「あなたは、今、どこにいる?、何をしている?、知らせてほしい」。まるで、かつて面倒をみた母県の職員による追跡調査のようだ。ポ語編集人の二人は女性だが、おそらくは、留学生・研修員OGだろう。かつての仲間への呼びかけでもあるわけだ▼敬老会通知と「支部長紹介」の欄は、日本語にしっかりと翻訳文がついている。なかなかキメが細かい▼日本語のほうは、去る七月の海上自衛隊練習艦隊員の歓迎と、渉外担当理事の死去・法要の知らせ。会員の死亡通知は、家族構成の紹介を含めて、黒枠で行い、哀悼の意を表している。日本語の記事の漢字にふりがなをつけているのは〃労作〃といえる。読者の身になった編集ぶりである▼さて、日本語がなくなったときに、ポ語だけの「ボレチン・インフォルマチーヴォ」が続けて発行されていくか、どうかが興味深い。(神)
04/09/03