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「おふくろの味」をのこす=農協婦連『デリシアス・デ・ママエ』レシピ集3冊目出版へ=すべて自身たちの工夫=「日本食」など400種収録

9月1日(水)

 「おふくろの味」を子孫に残したい──。ブラジル農協婦人部連合会(ADESC、上芝原初美会長)が今年中に、『デリシアス・デ・ママエ』(ポルトガル語のみ)のシリーズ三冊目を日毎叢書から出版する。身近な食材を使って調理した家庭料理を次世代に継承させようと、九四年に企画が持ち上がった。前二作とも完売。今も注文を希望する人が後を絶たない、コロニアの隠れたベストセラーだ。三作目には「日本食」や「サウガード」などのカテゴリーで、計約四百種のレシピが収録される。
 毎月第二木曜日。SBC病院の駐車場にフェイラが立つ。パン、漬物、弁当…。すべて、農協婦人部の会員たちによる手作りだ。 サンパウロ市内をはじめ、バルジェン・グランデ・パウリスタ、トゥルボランジャ(MJ)など各地に居住する女性たちが腕を振るっている。
 もともと、旧コチア産業組合婦人部として活動をスタートした。ジャガイモや卵など各地の主産物を食材につかった料理のコンテストを毎年一回、開催。一作目(九四年)には、コンテストの優秀作品約三百種を収めた。
 二作目(九八年)には、一作目に入らなかったものも収録。「お母さんの一言アドヴァイス」も入れた。説明が簡単で読みやすいのが、大きな特長。「一作目にも目を通したいといって、問い合わせてくる人がたくさんいました」(関係者)。
 読者の期待に応える形で、今回の企画が始まった。十七人で構成される編集委員会を設置。バイーア、ミナス・ジェライス州など全国十八の支部にレシピを募集し、寄せられた作品から厳選する。
 きんぴら、こんにゃくの作り方、シイタケ・昆布の出汁の取り方、よもぎの保存方法などが収録される予定だ。雑誌『家の光』から、酢の効用などについての記事を抜粋する。
 十二月に実施するバザーに合わせて刊行。値段は一冊二十五~三十レアルになる見込み。
 毎月のフェイラは今年SBC病院前で開始して、十周年になる。九月九日に記念のボーロが用意され、訪れた人に一切れずつ振る舞われる。