ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
ウランなど6百キロを押収=初の摘発、外国へ密輸の途中か=アマパ州
8月25日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十四日】アマパ州連邦警察は二十三日、ウラン、トリウムといった放射性物質を含む鉱石六百キログラムを先月に押収していたことを認めた。こうした物質の違法運搬が摘発されるのはブラジルでは初めて。
総額百四十万レアルと算定される、これらの物質は押収後、リオ市の放射線測定・研究所とブラジリア市にある犯罪研究所で鑑定に回されていた。ウランなど放射性物質の鉱脈・採掘場は、すべて連邦政府が所有し、厳重に管理することが法律で定められている。
ウランとトリウムは、マカパ市から約百二十キロ離れたウラン鉱脈が近いポルト・グランデとペドラ・ブランカ・ド・アマパリの両市の間で、警察の環境・歴史遺産に対する犯罪防止グループが取り締まりのために停めたピックアップ車の荷台で発見された。車には同物質の所有者と見られる人物が乗っていたが、摘発の際に森の中に逃げた。運転手は逮捕された。
後に連警は所有者の身元を確認、運転手は二十レアルで雇われていただけと判り、釈放された。連警によると、ウランはプラスチックの袋に入れられ、すぐにも売りさばける状態で、船でサンパウロ州に運ばれた後、外国に向かうはずだった。押収量が多量だったことから、素人の犯罪ではなく、こうした物質の持ち出しは今回だけではないと連警はみている。ウラン採掘場でも捜査が行われているが、捜査チームは常に現地に張り付いているわけではない。
専門家によると、ウランやトリウムは、自然状態では人間や環境に害を及ぼさず、原発や核爆弾製造に使うには複雑な濃縮過程を経なければならないという。