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花の色年ごとに鮮やか=800種展示販売=アルジャー、祭り開幕

8月25日(水)

 花の祭典始まる――。汎ヅットラ花卉生産者協会(新谷幸雄会長)主催の、第十三回「アルジャー・アフロード花祭り」が二十一日開幕、午前十時から開会式が行なわれた。
 羽藤ジョージサンパウロ市議、高橋一水コチア青年連絡協議会会長、大久保拓司日伯友好病院院長、井口信こどものその理事長、原沢和夫援協顧問、アブエル・ラリネ・アルジャー市長、横田パウロ・サンタクルス病院理事長、またこの日の朝、ODA調査のため来伯した後藤博子参議院議員も訪れた。
 好天に恵まれた会場は強い日差しが照りつけた。メインパビリオン前で行なわれた開会式では、はじめに、日伯両国の国歌とともにブラジル国旗、日本国旗、サンパウロ州旗、アルジャー市旗、アフロード旗が掲揚された。その後、新谷会長、ラリネ市長、後援のブラジル銀行役員らがそれぞれ挨拶した。
 新谷会長は「今年も、なくてはならない美しい色とりどりの花壇が出来上がりました。六、七月は長雨と寒さが続き、花が咲いてくれるか心配でしたが、無事咲きました」などと挨拶し、花祭り開催の喜びを語った。
 また、十年間花祭りに関わってきた香月流生け花の飯田静子さん(92)に荒木克弥名誉会長から感謝状と記念品が手渡された。
 ラリネ市長、新谷会長らによりメインパビリオン入り口のテープが解かれて花祭りが開幕。二人に続いて来場客も、生産者グループが自身で育てた花を自身で飾り付けした華やかな花壇展示を見て回った。
 今年のテーマは「花の四季」。全十七グループの歌壇展示には、各グループの花祭りへの意気込みがうかがえる。夜中まで飾り付けをしていたグループもあるそうだ。「春」「夏」「秋」「冬」と書かれた巨大なパネルを据えた花壇や、大振りの紫陽花が目を引く花壇、障子・添水とともに赤や黄色の鮮やかな花々を飾った花壇など、趣向を凝らした作品に目を奪われる。
 多くの見物客が花壇の前で記念撮影を楽しんだ。展示に見入っていた見物客からは「きれいねぇ」などと感嘆の声が相次いだ。
 天候の影響なのか「全体的に花の数が去年より少ない」との声も聞かれたが、「年々花の色が鮮やかさを増している」と感想を盛らす客もおり、生産者の技術向上を感じさせた。
 開会式で表彰された飯田さんの生け花は、スケールが大きく、にぎやかで花祭りにも劣らない。「生け花が他の花に勝ってもだめ。それぞれの場所に合う生け花を教えてくださいます」と生徒の一人は話す。
 一九五八年に初めて生徒を持った飯田さんは、今回も生徒の作品を監督した。「先生に、ちょっと曲がってる、といわれて直したら花がパッと活きるんです」。
 出来が悪ければすぐに花を捨ててしまう生産者たちに、生け花の展示を通して〃一輪の花を愛でること〃を伝えてきた飯田さん。「身に余る光栄です。生徒たちのおかげでいただきます。うれしいです」と感想をもらした。
 花祭りは二十八日、二十九日、九月四日から七日にも開催される。花壇展示のほか、八百種類以上の花が低価格で販売される即売市、各種芸能アトラクション、ミス着物コンテスト(五日)も催される。