8月24日(火)
宮崎県人会(吉加江ネルソン会長)は二十二日、北海道交流センターで同県人会創立五十五周年並びに、同県人移住九十周年の記念式典を行った。ブラジリアやベレンなど全伯から会員が駆けつけ出席者は約六百人にのぼった。母県からも県庁の江藤隆出納長や県議会の米良政美議長など八十二人からなる慶祝団が駆けつけ式典に花を添えた。午前は厳かに記念式典。その後の祝賀会では参加者の交流が行われ、「ネクタイも背広も取って大いに楽しんで下さい」と会長自ら呼びかけるなど終始賑わいを見せた。
「創立五十五周年、並びに移住九十周年を迎えることができて大変うれしく思います。親睦、扶助を目的に作られた県人会も現在では、県出身者とその子孫の数は一万四千人を超えています。将来もこの明かりを灯し続けて行かなければならない」と、吉加江会長はあいさつで語った。
会場正面には式典の様子を映す巨大スクリーンを二台設置。安藤忠恕(ただひろ)知事からも祝辞が寄せられ、今年四月に西都市で開催された第五十五回全国植樹祭に宮崎県人会からも十八名が参加していることに触れ、「宮崎とブラジル県人会の絆の深さに感動を覚えました。お互いに末長く発展出来るよう心から願いたい」と激励の言葉を贈った。
式典ではまた、県人会から母県功労者へ感謝状の贈呈、県から県事業功労者や県人会発展功労者、高齢者に対する記念表彰など、各種の表彰が行われた。
県事業功労者を代表して県人会の桑畑良平総務が「この表彰は全ブラジルに住む全県人のものです」と感謝の意を述べた。
県費留学生代表のあいさつは鈴木朝絵さん。「宮崎県の人々に親切にしてもらったことが一番の思い出。日本の伝統を忘れないためにも、交流や研修制度は日系人にとってとても大切です」と、県費留学制度の重要性を強調した。
さらに、宮崎県知事からサンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)、日系老人ホーム憩いの園(中川テレザ園長)、希望の家福祉協会(木多喜八郎会長)へ金一封が贈呈された。
式典に列席していた橋村道明さん(50)は二歳で父に連れられて移住、今回四十八年振りに日本の親戚と再会した。「いつ会えるのかなと夢に見ていました。おばさんに会えて、日本への繋がりが強くなったような気がします」と、橋村久子さんに再会した興奮を語った。
九十八歳になる辻福男さんが移住したのは戦前の一九三三年、県人会が設立される前。「県人会という組織が出来たことでとても心強くなった。今日五十五周年を迎えることができ、宮崎県人である私はうれしい」と、県人会の存続を喜んだ。