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コラム 樹海

 アテネは日本人の気質によほど合うらしい。今―日本の選手らが獲得した金メダルは十五。銀が七で銅は八つと素晴らしい。これまでの金は東京大会が最高で十六だったが、アテネでは新しい記録が生まれそうな勢いである。今回の五輪で目立つのは女子選手たちの活躍だ。柔道の谷亮子に始まり水泳の柴田亜衣など九つもの金メダルを手にしている▼なかでもひときわ光ったのは女子マラソンの野口みずき選手の快走である。百五十センチの小柄な野口が起伏の激しいコースを走り抜けゴールに入ったときには観客らも総立ちになって拍手喝采し四四キロの勝利を祝った。42・195キロを走るマラソンは日本人の女性には向いているらしい。この日のレースが始まるときの気温は三五度。湿気は六五%だから条件は厳しい▼しかも高低差の多いコースでの闘いは激しい。昨年のパリ世界選手権で優勝したケニアのヌデレバ選手の走りは凄い。みずき選手は二七キロ過ぎにロングスパートし鍛え抜かれた小柄な身体が弾む。終盤になるとヌデレバ選手に追い上げられたが最後の力を振り絞って逃げ切る見事な走りっぷりを見せたのはいい。それに―シドニーの高橋尚子選手の金に続く二連覇が嬉しい▼それにしても日本の女子選手らの強さよ。土佐礼子は五位、坂本直子が七位も立派だし大いに褒めたい。みずき選手は小さいけれども食欲は旺盛だという。中国での合では毎日―エビを二十匹も食べる健啖ぶりだったし、この食べっぷりがアテネの金を呼び込んだのに違いない。 (遯)

04/08/24