8月18日(水)
アルゼンチン拓植協同組合(亜拓、新垣善一理事長)が、去る七日、招集した理事会で、来年のサンパウロでの日本祭り(県連主催)に参加することを決定した。ブラジル日系人の重要なイベントと認識、アルゼンチンの若者たちがブラジルとの交流にもっと目を向けてほしい。との願いがある。これを受けて、今年の祭りに参加した四名を中心に準備委員会を編成して、本格的に参加する態勢が整った、という連絡が十日、あった。
この背景には、去る七月下旬に行われた第七回日本祭りには亜国では想像もできないような多くの来場者があり、その過半数が非日系ブラジル人で、日系団体主催のイベントがブラジルで重要な存在となっていることを実感したからだ、と、視察を兼ねて初参加した亜拓の文野和義副理事長が述懐している事実があるようだ。
亜拓は、日本と亜国が国交を回復した一九五二年の翌年に、移住事業の推進機関として発足し、半世紀以上にわたって日本人の移住や日系社会の福祉の向上に多大な役割を果たしてきている。イグアスーの滝に面した北部のミシオネス州では、環境保護の一環として植林事業も展開している。
去る三日付で、亜拓の新垣善一理事長から県連の中沢宏一会長に届いた礼状には「参加させていただいた四名は、催し物の大きさと、歩行も難しいほどの膨大な入場者、県別の郷土料理店などの多彩さに驚いておりました。アルゼンチン店にも関心が寄せられたことも喜びでした。明年はもっと大きく参加しよう、と張り切っています。このような催しを通じて、(亜国の)二世諸君が(ブラジルとの)交流に眼を向けてくれることも期待しております」と記されている。
今年は都合により、ブラジル農協婦人部連合会(ADESC、上芝原初美会長)とバラッカを共有したが、「農協婦人部の皆さんには、場所を提供していただいたり、食事なども用意していただくなど、細かいところまで気を遣っていただき、本当にありがとうございました。来年もお会いできるのを楽しみにしております」という礼状も寄せられている。
ブラジルだけのお祭りではなく、南米全体のお祭りにして欲しい、という希望も一緒に届いている。「継続は力なり」ということわざがあるが、日本祭りにも新しい扉が開かれつつあることは明るい前兆である、といえよう。