8月17日(火)
今年もジャカレイのジンギスカン祭りが賑わった。会場は、建築途中の文協会館だ。去る七日、サンパウロ市からヅットラ街道沿い約七十キロにあるジャカレイ市で日伯文化体育協会(宮田ウリエル会長)が主催したジンギスカン祭りは、二十年以上の歴史があり、顧客の八割が非日系人というほど地域に密着した行事となっている。
毎年、父の日(今年は去る八日)の前夜に行われるため、家族連れで賑わう。霜降りに近い牛肉(コントラ・フィレ)を使っているため、評判も上々だ。
今年は用意した二百八十キロの肉が売り切れた。第一回目から炊事に関わっているという佐々木恵子さん(広島県出身、68)は、「日本語学校の資金を捻出するために始めたように記憶しています。今は新しい文協会館の建設費用のためです。最初の頃は鍋も食器もみんな持ち寄りでした。ただ、肉は、最初から最高のものを使っていましたので、それが評判になったのかも知れません。今晩はおにぎりを二千個を作りました。大変だけれど、楽しい思い出がいっぱいですよ」と本当に楽しそうだ。
燃料の炭は会員の三好英雄さん(コチア青年、岡山県出身)が提供している。質が良く長持ちするため、食事の途中で燃料の補給が殆ど要らないのが特徴だ。婦人部五十名、青年部三十名、を含め約百三十名が下準備や接待に参加し、会場はテーブル九十卓を収容できる。「ヒトと場所」が揃っているのがジャカレイ文協の誇りでもある。
「今年で四回目だ。最初は夫婦二組で来たが、美味しいし楽しいので、徐々に仲間を集め、今晩は十家族で来たよ。日本人と知りあいになれるのも楽しみだよ」というジャカレイ近郊に住んでいるというノルマンドさん(41)の言葉が地域に密着している行事となっていることを示唆している。
すべて手づくりの新鮮で極上の素材を一卓七十レアルで家族や知人が歓談できる機会は貴重だ。