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コラム 樹海

 アテネ五輪は日本には縁起がいい。早くも金4銀1の好成績である。一〇〇メートル平泳ぎの北島康介選手とハンセン選手の一騎打ちに観衆は沸いたが、北島は「自分が勝てることを少しのすきもなく思った」そうだし見事なばかりの泳ぎっぷりで金メダルを手にして「ちょう気持ちいい」の一言がいい。この六月には左ひざを痛め風邪を引いて満足な練習ができなかったりと不安の多いレースをよくぞ頑張って乗り越えた▼女子柔道の谷亮子選手も素晴らしい試合運びで金メダル。「柔らちゃん」の愛称で呼ばれた谷選手は天賦の才もさることながら、真面目な稽古を積み上げての五輪優勝と見たい。二〇〇〇年のシドニー大会に続く連続金メダルは褒められていい。もっと凄いのは男子柔道六〇キロ級の野村忠宏選手の三連覇。得意の背負い投げを武器に相手をなぎ倒し勝ち上がる姿は勇ましい。谷選手の四大会連続のメダル獲得は初めてだし、無論のこと―野村選手の三連覇も五輪史上初めての偉業である▼柔道では六六キロ級の内柴正人選手も金メダルを獲得。女子五二キロ級の横沢由貴選手が銀メダルと「柔道ニッポン」の面目を披露できたのが嬉しい。重量級には井上康夫選手や鈴木桂治選手らの活躍が期待できるので楽しみである。野球も入賞できそうだし闘志をもって試合に臨みたい▼日本人で初めての五輪金メダルを手にしたのは三段跳びの織田幹雄選手(アムステルダム大会)だが、今大会で一〇〇個の大台を突破し記念の「金」は野村忠宏選手に贈られた。(遯)

 04/08/17