「今、事故起きたら終わりだな」
よく、そんな冗談を言いながら、原発を横目に海辺の一時を楽しんだ。
大阪育ちの私にとって、福井の海は手軽なリゾート。十代半ばから、幾度となく足を運んだ。
先日、十一人の死傷者が出た美浜3号機を真近に持つ水晶浜もその一つ。その名の通り、南国よろしく透き通った海が一面に広がる。
浜辺に密集するパラソルと現代科学の粋を集めた原発とのコントラストに当初は違和感を憶えたが、何度も足を運ぶうちに、それが当たり前の光景になる。
日本の原発史上最悪の事故にも関わらず、相変わらず水晶浜は賑わいを見せる。もちろん、放射能漏れがなかったことを思えば不思議はない。
余りにも快適な現代社会。冷房、自動ドア、エスカレーター――原発の存在理由は、私たち自身が産み出している。(記)
04/08/13