広島市南区の似島で、原爆死没者の発掘作業が進められている。五十九年経った現在も、遺骨や遺品が見つかり惨劇の様子を伝えている。
八月は、日本で夏休みだ。小学校時代、六日の原爆記念日を前に必ず登校日が定められ、平和学習をした思い出がある。
「日本が戦争に負けたとは、思えません」。昨年、戦前に移住した男性(広島市出身)から衝撃的な言葉を聞いた。戦後二回里帰りをしているから、なおさら驚いた。
「出国する前は、福屋が一件あるだけ。デパートがたくさん建っていました。とても、被爆地には見えなかった」
八月十五日は終戦記念日。日系コロニアは「戦勝」、「認識」をめぐって混迷を深めていった。あの日あの時、移住者は何をしていたのか?それぞれの体験を掘り起こしていきたい。 (古)
04/08/12