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70日後に少女を解放=隠れ家急襲、誘拐犯2人を射殺=サンパウロ市
8月10日(火)
【アゴーラ紙七日】五月二十八日以降、誘拐・監禁されていた十二歳の少女が八日早朝、警察に無事解放された。犯人二人は警官らに撃たれ、死亡した。
被害者の少女は、ブラジルと外国に店舗網を広げる家具、高級衣料品販売会社社長の娘で、有名中学『ダンテ・アリジエーリ』の生徒。学校からサンパウロ市西部ジャルジン区にある自宅に歩いて帰り、家の前でスーツ姿の黒人に車に押し込まれ誘拐された。誘拐の模様は隣家の監視カメラに撮影された。
同日夜、犯人らは家族に電話して身代金一千万ドルを要求、家族は警察とリスク対策会社に連絡をとった。犯人らとの交渉を通じて身代金は約五十万レアルにまで下がり、家族は六月十一日にそれを渡した。しかし犯人らは人質を解放せず、さらに五十万レアルを要求した。
監視カメラに撮影された映像から、警察の誘拐対策班(DAS)はレナット・F・ロペス(25)容疑者を誘拐犯グループの交渉者と断定、サンパウロ市南部ジャルジン・アラカチ区の自宅で七日午後に逮捕した。同容疑者は隠れ家まで仲間を連れて行ったタクシー運転手を警察に供述、大サンパウロ市圏ジュキチーバ市の別荘が隠れ家と判明した。
DASは十人の警官からなる救出チームを結成、同チームは八日午前四時半に隠れ家に突入、撃ち合いの末犯人二人を射殺し少女を救出した。少女にケガはなかった。洋服ダンスとベッドだけがある四平方メートルの部屋に少女は監禁されていた。
五十万レアルの身代金は自動車や不動産の購入などで誘拐犯らに使われてしまったとみられている。サンパウロ市では現在六人が誘拐されたままとなっており、うち三人は子供だという。