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6年ぶりブラジル公演=宮沢和史の「島唄」聴衆も熱唱

8月10日(火)

  「ザ・ブーム」のリーダー、宮沢和史さんのコンサート「宮沢和史・イン・サンパウロ」が、八日午後八時半からサンパウロ市のSESCポンペイアで行なわれた。チケット七百枚は完売。招待客も招いて、八百人収容の会場はほぼ満員になった。また、同時販売していたCDも完売した。
 一九九八年以来六年ぶりのブラジル公演とあって気合い十分の宮沢さんは「六年ぶりの思いをこのステージにぶつけます。すべてのエネルギーを使って皆さんと一緒に歌って踊りたい」。観客も拍手と歓声で応えた。
 総勢十一人のバンドは、宮沢さんの歌声にギターやキーボード、ドラム、トランペット、コーラスのほかパンデイロや中国の弦楽器・二胡など多彩な音色が絡む。
 二胡の響きや経文本を広げてお経を読み上げるパフォーマンスなど、〃アジア色〃を打ち出した曲や、有名なブラジルの曲『セ・フォセ・トードス・イグアイス・ア・ヴォセ』を披露した。
 宮沢さんが沖縄の弦楽器・三線(さんしん)を肩に掛けて演奏しだすと会場が大きく沸いた。第二次世界大戦中日本で唯一地上戦があった沖縄に触れ、「僕らが今こうして平和に生きられるのも彼らの犠牲があったから」と説明したあと、ポルトガル語でも同様のメッセージを伝えた。
 沖縄戦を背景にした男女の別れを描いた宮沢さんの代表曲『島唄』が壮大なスケールで演奏されると、観客の熱狂は最高潮に達した。
 ゼッカ・バレイロ、ジャイール・オリベイラ、ディエゴ・フェゲイレードらゲストもそれぞれの曲を披露し、全員でのセッションも行なわれた。
 全十六曲を歌い上げた宮沢さん。コンサートの最後は「この屋根を突き破って届くように一緒に歌ってください」という宮沢さんの呼び掛けに応えて観客も一緒になって『島唄』熱唱した。
 パラナ州ロンドリーナ市から来た栗原フェルナンドさん(26)は「ブラジルの歌まで歌ってて、すごいよかった。島唄最高!」と話した。