ペトロブラス(PB)の現経営陣は17日に会見を行ない、同公社内に汚職対策のための新たな理事会を設置する意向を発表した。また、旧首脳陣に対し、「ペトロロン」が同公社に与えた損害に対する賠償を求めていくことを明らかにした。18日付伯字紙が報じている。
この会見でグラッサ・フォステル総裁は、14日の経営審議会の席でPB内に汚職対策のための理事会を作ることが提案されたと発表した。
第8番の理事会設置の目的は、ラヴァ・ジャット作戦でパウロ・コスタ元供給部長が供述したような、水増し請求を可能とし、公金の横流しなどの原因となる契約締結や贈収賄といった汚職の再発を避けるためだ。グラッサ総裁は「この理事会は今のわが社に緊急に必要な重要なものだ」と語った。経営審議会は新理事会設置のアイディアを発展させることを承認したが、具体的なことは何も決まっていない。
PBには既に統制管理委員会があるが、今回新設される理事会は、まだ公社だったブラジル・テレコム(2009年にOiの子会社化)が2006年に導入したものに似たものになるという。
またPBは、1900万レアルをかけて、同公社内で行なわれた賄賂の横流しの実態解明のための調査を行なうことも発表した。この費用の内訳は、ブラジルの監査会社のTRW社に600万レアル、米国のギブソン・ダン社に500万米ドル(約1300万レアル)になるという。
また、PB経営審議会は、パサデナ製油所の買収が非常に高額なものとなった責任は、パウロ・コスタ容疑者や元国際部長のネストル・セルヴェロー氏、元総裁(2005~12年)のジョゼ・セルジオ・ガブリエリ氏らにあると判断し、法廷に訴えて、同公社が受けた損害の賠償を求めていく方針を固めた。2006~11年に購入した米国のパサデナ製油所に関しては、PBは7億9200万米ドル相当の損害を被っている。
PBでは、アブレウ・エ・リマ製油所建設その他を巡る疑惑に関しても責任者を追及し、責任者がまだ勤務している場合は辞職も含めた形で賠償を求めていくという。セルヴェロー氏らは身の潔白を訴え、難色を示している。
また、グラッサ総裁はこの席で初めて、オランダのSBMオフショア社から、14日付本紙でも報じたように、同社がPBに対し2億5千万米ドル相当の贈賄を行なっていたとの情報を得ていたという事実を明かした。
同総裁によると、その情報を得たのは今年の5月だったという。ペトロブラスの代表は2月~3月にオランダと米国に調査に出向いて調査し、「プラットフォーム賃貸における契約において違反行為の形跡はない」と報告していた。
SBMは5月以降、ペトロブラスに関する事業の入札に参加していない。同総裁によると、PBは同社を含む諸企業との契約は当面は継続する意向だという。