サンパウロ市=バス強盗が半減=ビリェッテ・ウニコ導入で=宝くじ販売所が新たな標的?
7月28日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】ビリェッテ・ウニコ(複数回数乗車カード)が導入されて二カ月が経過したが、一つ思いがけない成果が表れた。バス強盗の減少だ。バス会社と市当局の発表によると、六月のバス強盗の発生件数は昨年の月平均の半分以下だった。これに伴いバス会社の営業所や車庫の襲撃も減るとみて、関係筋は相乗効果に気を良くしている。市交通局は犯罪減少もカード導入の狙いだったと自己宣伝に乗り出した。
市内バスを主とする交通機関(不法乗合バスは含まず)の強盗発生件数は六月に六百十一件で、昨年の月平均千二百三十八件に対し五〇・六%減少した。これらの強盗事件はほとんどが市郊外で発生している。とくに東部地区では二〇〇〇年以降毎年六人から十二人の犠牲者を出していた。その多くは運転手や料金徴収係の殉職者だった。
ビリェッテ・ウニコは携帯電話のプリペイド方式と同じ要領で、一枚のカードで二時間複数乗車ができ、その都度カードに残高が表示される。使い果たすと運賃の追加補填が可能なリサイクル・カード。市交通局によると現在市内バスは一日平均五百五十万回運行しており、三百五十万人が利用しているが、その四五%がカードを使用しているとのこと。利用者が半数に満たないのは、市が発行し企業が従業員に無料配布している乗車券(バーレ・トランスポルテ)がまだ市中に出回っているため、この乗車券は八月で廃止することになっているが、有効期間が二カ月のため、十月までは使用が継続される。このため当局は十一月以降ビリェッテ・ウニコの利用者が急増するとみている。
このカードは市内三カ所の交通局営業所のほか、市認定の宝くじ販売所七百店舗で販売あるいは追加補填されている。宝くじ販売所は、連邦貯蓄銀行からの委託で電気などの公共料金を徴収しており、さらにカード利用客で現金の取り扱いが増えることから、強盗の新しい標的にされるのではと懸念している。
市当局は、裏に表記している番号を控えておいて、盗難や紛失の場合は156番に通報してカードを無効にするよう利用者に呼びかけている。こうすれば犯罪者をさらに締め出すことが出来るとしている。