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南米公演6年連続井上祐見さん着聖=「コロニアが育てた演歌歌手」

7月24日(土)

  演歌の井上祐見さん(28)が二十四日から来月八日までブラジル、アルゼンチン、パラグアイとボリビアの四カ国で公演する。南米でのコンサートは六年連続。昨年は戦後移住五十周年記念式典(サンパウロ州議会)の大舞台を経験した。今回は、リオ・グランデ・ド・スル州都ポルト・アレグレのほか、イボチ(同)、ロサリオ(アルゼンチン)、サン・ファン(ボリビア)の日本人移住地を初訪問。イボチでの公演は地元ドイツ移民の記念行事にも公式認定されるという栄誉を得た。サンパウロは日本祭りのイベント会場が舞台となる(二十四、二十五の両日)。「コロニアが育てた演歌歌手」と称される井上さんの新たな飛躍を見ることが出来そうだ。
 今年はボリビアのサン・ファンなど初めて巡る土地も多い。「日本の芸能人がめったに行かない所と聞いています。日本の心の歌である演歌をじっくり聞いてもらいたい」。井上さんはそう意気込みをみせる。
 六年連続の南米公演だ。「こちらには日本人が失ってしまった心の暖かさが残っている。いつも心の故郷に帰って来た気持ちになるから不思議ですね」
 移住者から支持される理由をマネージャーの中嶋年張さんは「彼女は若いですが、本当に古風な女の子。高齢者の方と波長が合うのだと思います」とみる。
 二年前、パラグアイのイグアスー公演後、同市長から名誉市民証を授かった。今度はイボチでドイツ移民百八十周年行事としてコンサートを開催、同市長との懇談も予定されており、いまや移住社会の枠を超えた存在になりつつある。
 期待のサンパウロ公演の会場は日本祭り。こちらもサンパウロ市の冬の風物詩に定着している行事だ。来る度に次の階段を上がっている井上さん。自分で作詞したという新曲「あなたに会えてよかった」を引っさげ、各地で熱狂的なユミ旋風を巻き起こしそうだ。
 二十四日午後一時十五分、二十五日午後三時五十分から。両日とも日本祭り「イベント広場」。
 南米ツアーの後援はダイドー・エンタープライズ社とニッケイ新聞社。