7月22日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】自由貿易協定を協議しているEU(ヨーロッパ連合)とメルコスル(南米南部共同市場)は双方の歩み寄りがないまま物別れとなった。ブラジル政府は一歩も譲らない態度を堅持する方針を変わらず、その旨を会合の代表者に指示した。
EU側は当初、メルコスル産品について牛肉、エタノール、鶏肉を中心とした、輸入枠の五〇%を事前に取り決め、残りについてはWTO(世界貿易機構)での協議に基づいて順次取り決めると提示したが、メルコスル側は対象品目が一方的過ぎで内容が不透明だと反論した。
これに対しEU側は今回、五〇%枠を六〇%に拡大するが、向う十年間で分割するとの新しい案を提示してきたが、メルコスル側は前回の条件より劣るとしてこれを一蹴した。基本路線が定まっていない段階では、各国が商品の個別条件も出せないのが現状で、協定は早急に妥結しないとの見方が強まっている。ブラジル政府は時間をかけても有利な条件を勝ち取るとの態度を明らかにした。