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エタノール対日輸出=憶測飛び交い不透明=報道過熱 日本から巨額融資?

7月22日(木)

  エタノールの対日輸出をめぐり、さまざまな「憶測」が流れている。どこまで具体的な話が進行しているのか、分かりにくい状況だ。両国メディアの最近の報道からは明らかな「温度差」が感じられる。エスタード紙、時事通信の記事をここに掲載。ブラジルのエタノールの生産拡大、輸送販路整備に対し、巨額の融資が噂される国際協力銀行(JBIC)関係者の話も聞いた。

 【エスタード紙二十日】ロベルト・ロドリゲス農相は十九日、ブラジリアで国際協力銀行(JBIC)の矢島浩一国際金融部長と会談した。バイオ燃料の研究開発、生産について意見を交わした。
 六十日以内に、対日輸出に向けた輸送販路や収納施設建設計画の話し合いや、現場視察を目的に調査団が日本から来伯する。日本はバイオ燃料の輸入を望んでおり、ブラジルは唯一、日本の需要に対して供給できる国である。
 日本政府は三%までのエタノールを混入した自動車用ガソリン販売を許可した。これは年間百億リットルの需要に相当する。ブラジルは供給のために少なくともサトウキビ畑を二百万ヘクタール増やす必要がある。ロドリゲス農相は「話は準備段階であるが、プロジェクトが前進することを期待している」と述べた。
 同銀行の融資は六億ドルに上る計画。三億ドルは農地や設備建設に、残りは輸送販路の整備に投資されるようだ。
【サンパウロ時事十九日】 ロドリゲス農相は十九日、ブラジリアでJBICの矢島浩一国際金融部長と会談し、同国でのバイオ燃料の研究開発および生産のために必要な資金六億ドルのうち、三億ドルを日本に融資してもらう計画を持ちかけた。
 五月末に訪日したロドリゲス農相がJBIC側に計画を伝え、今回、矢島部長は協議継続のためブラジル入りした。九月にはJBICのメンバーを含む合同調査団がブラジルのバイオ燃料施設を視察する予定。
 会談後、農相は記者団に対し、「交渉は予備的なものだが、訪日一カ月後に使節団が来伯したことは、日本側の当プロジェクトへの興味を示して入る。進展が期待できる」と述べた。
 ただ、JBIC側は、今回はあくまで表敬訪問で、会談でも東京以上の具体的な話は出なかったと強調。「エタノールを輸出したいとの話はあったが、これから勉強する段階」として、ブラジル側の「過熱気味」な発表や報道内容を否定している。
 日本は法改正でサトウキビなどからつくるエタノールを三%までガソリン日本は混入することが認められており、世界最大のエタノール生産国ブラジルは売り込みに躍起となっている。
 同国が述べた試算では、日本のエタノール需要は年間百億リットルに達する。農務省はこれを満たすためには、現在のサトウキビ栽培面積を少なくとも二百万ヘクタール増やす必要があるなどと公言、日本側に圧力をかけている。
 【JBICリオ支店の小野高央駐在員の話】
 矢島部長は今回あくまで表敬訪問であり、一部新聞で報道されている合同調査団の日程も決まっていない。また、融資額や融資目的も明記されているが、これも未定。ブラジル側の報道が「過熱気味」だ。