7月21日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】リオ市フォルミネンセ区のミルトン・ジアス・モレイラ刑務所で十九日午前一時、五十人の武装集団が仲間の囚人奪回を図った。これにより四人が脱走したが、二人が警備員に射殺された。武装集団は刑務所襲撃に先立ち、隣接する軍警駐在所を襲って武器や弾薬を強奪するという用意周到かつ大胆な行動に出た。この集団は刑務所の脇にあるスラム街、ジンコの丘の麻薬組織の一団だという。
同集団は武器や弾薬を奪った足で刑務所に直行し、壁をよじ登って見張り塔の警備員に向けて銃を乱射した。いっぽうで囚人らは収容房の扉をこじ開けて所外の溜まり場に集合し彼らを待っていた。彼らは到着と同時にピストルと手りゅう弾および縄梯子を所内に投げ入れた。この動きを察した警備員と、所内の脱走囚および塀の上の武装集団との間で激しい銃撃戦が展開された。この合間に囚人が七メートルの塀を乗り越えて脱走した。二人は縄梯子を登っている所を撃たれて死亡した。応援に駆けつけた軍警特殊部隊が刑務所を包囲し発砲したため同集団は逃亡、所内で抵抗していた囚人は制圧されて監房に収監された。
同刑務所はスラム街の山麓にあり、山麓から所内の様子が手に取るように見えることから、組織の仲間と服役者の間で容易に連絡がとれる。このため近いうちに廃所されることが決定されていた。今回の襲撃は、この決定を受けて囚人が移動する前に行動に出たものとみられている。