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IBGE報告 消費市場が回復=所得、雇用増を反映=家具、家電製品が立役者=低利与信、消費を刺激

7月17日(土)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】ブラジル地理統計院(IBGE)は十五日、家電製品や家具の五月の売上が前年同月比で三五・六%も驚異的に増加したと発表した。消費市場全体でも販売が昨年同期比平均一〇・〇一%の増加となり、消費意欲の回復が確認された。商店の売上は、これで六カ月連続で上昇し、一月から五月までの累計増加率は前年同期比で八・四八%となっている。家電製品と家具だけでみると、過去十二カ月間で二八%の上昇となった。

 家具や家電製品の売上が五月に急増し、消費市場の回復振りが伺える。IBGEの報告によると、消費市場は五月最終週の売れ行きが凄まじく、消費市場の活況はしばらく継続するとみられている。
 全国商業連盟(CNC)は、〇四年の消費の月間平均増加率を四%と踏んでいたが、七%に上方修正した。消費市場活性化の背後には、消費者を刺激したローンの大量与信がある。乗用車や家具、家電製品など耐久消費財のローンによる購入は、しばらく継続する模様。
 市場活性化のお膳立ては、〇三年下半期の金利を基準に設定された低利のローンだった。〇三年上半期の消費市場は五月にマイナス六・二七%と底を打って、下半期にやや持ち直した。しかし、期待した結果とはならなかった。〇四年五月にようやく、顕著な手応えが確認された。
 五月は母の日が売上増加に貢献し、前月比で四・一九%増となった。家具や家電製品の売上増は、消費者の所得増と就職先が定着したことを意味する。同品の売上は所得と雇用を最も反映するため、非常に慎重な動きをするが、消費市場のけん引車でもある。
 主な売上増は家具と家電製品の三五・六%をトップに、衣料品や生地、靴の二二・五%、自動車や部品の二一・五%、情報機器や事務用家具の一九・八%など。地域別ではサンパウロ市が八・七六%、リオデジャネイロ市が一二・三六%と、五月の市場活性化で先頭に立って全体を引っ張った。
 ショッピングセンターは五月の売上がインフレ率も含めて昨年同月比で一九・五%増、一月から五月の累計で一五・六%増。これも活性化の主役は、ローンの助けによる家具と家電製品の売上となっている。
 個別ではリオのアンコラ・チェーンが、五月の売上を昨年同期比で二八・三六%増、一-五月の累計で二一・二五%増。メガロージャが五六・八%増に三九・〇六%増と盛況だった。 
 国際通貨基金(IMF)の元ブラジル担当理事のケネス・ロゴフ氏は、ブラジルの消費市場回復の報告を胸を撫で下ろす思いで聞いたという。現在はハーバード大学で教鞭を執る同氏は、最後の三回にわたるブラジル政府向け融資の立ち会い人でもある。講演のために訪伯して朗報に接した。
 六カ月前と比べブラジル経済は現在大きく変化したと、同氏は絶賛した。米連邦準備制度理事会(FRB)は先に公定歩合の引き上げを行い、近く再度引き上げを行う可能性がある。ブラジルがこうした情勢の下、経済基盤を固めたことに同氏は賛辞を送った。