健康広場
7月14日(水)
突然のめまいや耳なりなどに覚えがある人はいないだろうか――。繰り返しこうした発作を起こすことで、難聴にもなりかねないメニエール病も生活習慣が関係する病気の一つだ。聞きなれない病名だが、早期発見すれば、直りやすいだけに早めに症状をつかむ必要がある。
【症状】
一八六一年にフランス人のメニエール氏が、発見した。自分自身や周囲が、突然回りだすような錯覚を覚える「めまい」や耳鳴りや難聴などの聴覚症状が特徴で、吐き気や冷や汗を伴うことも多い。症状は人によって様々で、めまいが三十分から数時間続いたり、頻度も連日起こる人から月に一度、半年に一度など幅広い。
また、めまいが起こる前には大抵、耳鳴りや難聴、耳の詰まりが現れ、その多くが片方の耳に限られる。
【原因】
耳の内耳は、骨と膜の二重構造になっていて、膜の内側はリンパ液で満たされている。ところが、このリンパ液の調整に異常をきたして過剰になると、内リンパ水腫をつくり、これが神経を圧迫。めまいやみみなりなどメニエール病の症状を引き起こす。めまい患者の5~10%がメニエール病だとみられる。
三十代から五十代の働き盛りの男性に多く、特徴は緊張感が続く仕事に携わったり、責任感が強い人に目立つ。原因ははっきりしていないが、過労やストレスが発症の引き金になると見られ、性格が几帳面で融通が利かない人は「メニエール気質」と呼ばれる。こうした気質に当てはまる人は要注意だ。
また季節の変わり目や気候の変化、特に低気圧や前線が血被いてきている時に発症しやすいので、こうした時には過労やストレスをためない注意が必要となる。
【生活習慣への助言】
聞きなれない病名だが、この病気もやはり日常生活の過ごし方が鍵を握る。(1)心身ともにリラックスし、ストレスをためこまない(2)めりはりのある規則正しい生活をおくる(3)睡眠時間をたっぷりとり、疲労を解消する(4)繁忙期が近づく前に、きちんと休養を取ること――などが挙げられる。
さらにストレスの有無が大きく関係するので前記したメニエール気質に当てはまると思う人は、なるべくリラックスした時間をつくること。
【早期発見には】
メニエール病は進行性で、発作を繰り返すたびに早ければ五年から十年で高度の難聴になる恐れがある。また、症状が進むと治療が難しくなるだけに、初期の段階で専門医の治療を受けたいところだ。突然の激しいめまいや耳の閉塞感など、過去にない症状に気づいた早急に診察を受けて欲しい。聴力検査や直立、足踏み検査、回転検査、耳のレントゲンなどで診断する。