7月13日(火)
【既報関連】「そこに生きる人間の素朴さが好き」。パリンチンスのボイ・ブンバを撮り続けている写真家、藤井寛さんが今年も来伯。アマゾンの〃カルナヴァル〃をレンズに収めた。
ボイ・ブンバに魅せられて九年目。実は、昨年で打ち止めにし、パンタナールに新たな被写体を求めるつもりだった。写真展(今年三月開催)での反響があり、今年もマナウスから船で二十時間をかけ、アマゾン川を下った。
牛や蛇などの巨大な山車。そして、三時間ノンストップで、踊るダンサー。これまで、祭りの全体像を表現することにこだわりを見せてきた。今年はダンサー、打楽器演奏者、裏方で働く人々など個々の人間にも集中。動きを捉えるために、ビデオも回し続けた。
「妖艶な衣装をつけたダンサーが普通の女子高生だったり、バッテリアの男性が郵便配達員だったりして。多くが貧しい生活を送っているのに、表情は生き生きしているんですよ」
ボイ・ブンバの一番の魅力は音楽。「どこかで聞いてことがあるような、懐かしい感じがして、耳につく」。州政府が観光化を進めており、祭りの素朴さが失われていくのが心配だという。
今年中に横浜、来年は大阪、名古屋で写真展を開く予定。