7月7日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】アルゼンチンのロベルト・ラヴァーニャ経済相は五日、「受け入れがたい量」の電気製品がブラジルから同国に輸入されたとアルゼンチン政府が判断した場合、輸入を制限できる措置を発表した。
同措置は、冷蔵庫や洗濯機といったブラジル製品に対し、個別に特別輸入許可を必要とすることも含んでいる。今後、ブラジルの輸出業者は同許可をアルゼンチン産業局に求めなければならない。また一時的措置として、マナウス免税地区で製造されたテレビに二一%の関税がかけられる。昨年ブラジルは七百八十三万ドル分のカラーテレビを輸出している。
アルゼンチン政府はブラジルからの鶏肉、豚肉、靴、自転車、自動車部品の「侵略」に対してすでに不満を訴えてきた。ブラジル側は砂糖輸出に課せられた五〇%にのぼる関税に苦しんでいる。また先だってはブラジルの輸出業者が、ジーンズの原料となるデニムの輸出量を制限するとアルゼンチン政府に約束した。
今回の決定に対し、ブラジルの工業界は困惑を隠せない。「非常に遺憾だ。メルコスルの存在理由がなくなった」とサンパウロ州工連のコスチン貿易部長は述べた。「アルゼンチンに都合がよければ、メルコスルもよし。我々が黒字なら制裁措置だ」。九五年以降、ブラジルは対アルゼンチン貿易で黒字を生んでいなかったが、専門家は、今年は十億ドルを超える黒字が生まれると予想している。