7月7日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】B5ビオ・ディーゼル計画とアルコール計画は七〇年代、同時に開始した。アルコールはエネルギー危機を反映して脚光を浴びたが、ビオ・ディーゼルは忘れられた。
しかし、関係者は日の当たらない所で、ビオ・ディーゼルの地道な研究と実験を続けてきた。ほとんどの公立大学には代替エネルギー研究部があり、官民プロジェクトによる市場開拓の模索も行われていた。
しかし、全国へビオ・ディーゼルの本格的供給を行うためには、大工場群の設置が必要なことがネックとなっていた。同計画のパイオニアとされるTECBIO社のエスペジット・J・パレンテ代表は八〇年、世界初のビオ・デイーゼルの特許を取得した。
同社の技術指導でピアウイ州カント・ド・ブリチ市に、ブラジル・エコディーゼルの搾油所建設が進行中。傘下の三十五家族がヒマ栽培に専念、同所で搾油する。ヒマ栽培用地は州政府から供与され、各世帯へレンガ造り住宅つきで二十五ヘクタールづつ分譲された。十年の契約期間を終了すると、入植者は土地と家を無料で譲渡される。
ヒマは四カ月間から五カ月間で収穫する。ビアウイ州フロリアノ市にヒマ搾油所第一号が〇五年三月、落成する。年産二千五百万リットルの生産能力がある。テレジーナ市とフォルタレーザ市にも、年産一億リットルの工場が建設中。
国内ではビオ・ディーゼルの流通規定が完成していないので、当初は輸出する予定。政府のビオ・ディーゼル計画はまだ机上計画の域にあり、法整備の詳細が発表されれば工場建設の投資は急増する見込みだ。
ペトロブラス石油公団も、ビオ・ディーゼルに関心を持っている。来年度予算の〇・五%を同部門に投資する。一〇年には八千万ドルを、ビオ・ディーゼル計画につぎ込む予定となっている。ペトロブラスは北大河州アルト・ロドリゲス市にヒマのビオ・ディーゼル研究所を持っている。
サンパウロ州シャルケアーダ市に、大豆油のかすからビオ・ディーゼルを精製する工場が、年内完成予定で建設中。当初は製品を輸出する。
サンパウロ大学(USP)研究室では、植物油とエタノールによる車両実験を行っている。企業でビオ・ディーゼルの車両実験を行っているのはプジョウやシトロエン、エンジンス、ヴァウトラ、ALL(アメリカ・ラチーナ・ロジスチック)など。EUでビオ・ディーゼルとは、毒性物質を含むメタノールを指す。