7月6日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙五日】サンパウロ州近郊リビエイロン・ピレス市(ABC地区)の刑務所で四日午後十一時半、四十九人の囚人が脱走した。囚人らは刑務所正門から〃白昼堂々〃と市内を逃げ去った。
同刑務所では同時刻に囚人用の昼食を運び込み、当番の囚人(普通模範囚で所内の掃除などの雑用をこなす)が各房に昼食を配給するが、この日は当番が隠し持っていた銃で看守を拉致し、各房の扉を開放した。所内には定員八十四人に対し、三百二十八人の囚人が収容されていて、開放と動じに正門から〃暴走馬〃のように逃走を始めた。警備の警官が混乱中空に向けて発砲したため、逃げ遅れた囚人らは足踏み状態となった。
逃走した四十九人は市内を走り抜けて山中に入ったり隣接する駅からパウリスタ鉄道の列車で逃げ失せた。そのため八人のみが再拘束されるに留まった。また付近のマンションで自家用車二台が盗難に遭い、逃走に使用された。警察は隣接のマウア市、サント・アンドレ市にも非常線を張ったが、折からの農務でヘリコプターによる追跡が困難となった。
警察によると、同刑務所での逃走未遂は日常茶飯事のことで、近々同刑務所は閉鎖されて新設のマウア市刑務所に囚人を移送することになっていたという。