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マルタ候補不人気の理由=新税、住民との口論が響く=交通、教育政策で巻き返すか

7月2日(金)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】十月の市長選挙に向け熱烈な選挙戦が展開されているが、現時点ではセーラ候補(PSDB)、マルフ候補(PP)、マルタ候補(PT)らが他候補より抜きん出て、早くも三つどもえの様相を示している。中でも現市長のマルタ候補が続投できるかどうか注目されている。
 エスタード紙がおよそ六百人を対象に世論調査を行った結果、現時点での支持率はセーラ候補三三%、マルフ候補二六・八〇%、マルタ候補一五・二%となった。逆に〃絶対投票しない〃のはマルフ候補四五・三%、マルタ候補四五・二%、元市長のエルンジナ候補(PDT)二四・九%、セーラ候補九・二%だった。
 マルタ候補への支持率より不支持率がはるかに高い(最悪のマルフ候補との差がわずか〇・一%)原因として、ゴミ税と街灯税を新たに課税したこと(四三・八%)が第一に挙げられている。このほかには水害対策(一三・四%)が挙げられ、浸水地域を巡視した同候補が住民と激しく口論した模様がテレビで生中継されたのがイメージダウンになっているという。さらに街頭インタビューでは、「上流階級出身」で「いつもきれいに着飾って旅行ばかりしている」とし、心底から貧困を理解していないとの声が多かった。
 特に同候補の立場を悪くしたのがルーラ政権への失望と不支持が顕著になったこと、致命的といわれるのが、最低賃金が上院で二百七十レアルに承認されたにもかかわらずPT政権が二百六十レアルに決議したことで、低所得階級はその不満をマルタ候補にぶつけている。また同紙が同時に行った三年半に及ぶマルタ政権の施政について、最良もしくは良かったが五八・二%で、昨年十二月の七二・六%より十四ポイントも下がっている。逆に最悪もしくは悪いが二一・二%で、同じく九・六%から十一ポイント近く増え、芳しくない評価となった。
 いっぽうで同政権の目玉といわれるCEU(統一教育センター)やバス会社やペルエイロ(乗合バン)の整理統合を敢行するなど毅然とした態度を評価する向きも多い。さらに実施したばかりのビリェッテ・ウニカ(統一乗車券)の使用率が高まっており、今後選挙までに新設されるCEUと合わせ、マルタ候補の巻き返し作戦が展開されると見られている。
 フォーリャ紙一日によると、同紙が二十四日と二十五日の両日に行ったアンケート結果では、「市長に就任する可能性がある」のはマルフ候補三五%、セーラ候補二七%、マルタ候補一六%。いっぽうでマルフ候補を「腐敗政治家」としたのが六五%、「公約ばかりで実行しない」が三六%、セーラ候補を「正直」が二六%、マルタ候補を「交通機関の専門」としたのが二八%となり、市民の視点の違いが浮き彫りにされた。