7月2日(金)
【ベージャ誌六月二日号】病気あるいは老化は家庭の食卓で防止できる!。提唱するのは米国のマイケル・ロイセン博士で、毎日の食卓に上る食物二万五千種類を五年間にわたり調査した結果を著作「実際の年齢」(イダーデ・ヴェルダデイラ)で書き記したもので、同著は二十二ヵ国語に翻訳され、三百五十万部のベストセラーとなっている。
同博士は食物医学の権威で、同著は広い範囲で食物の効用を紹介しており、これが病気予防や治療に役立つと記している。さらに注目されるのは、食べ物の種類の組み合わせと長期にわたる適量の摂取で、老化現象を二十年遅らせることも可能なことだ。その昔、代々年寄りが語り伝えていた植物の根は頭痛やのどの痛みに効くとか、果物は肌荒れを防ぐとか、ワインは健康のもととか、彼らは何故かは知らなかっただろうが、現在は医科学的に立証され、その知恵は裏付けられている。
例えば果物や野菜に大量に含まれるビタミンC、E、Aは、体内に活性酵素と共に「栄養燃料」と呼ばれる栄養素を送り込んでいる。この燃料は体内の病原菌や悪玉コレステロールを退治するほか、老化増進の役目を負う細胞をやっつける働きをする。これが若返りと、女性の場合肌のつやを保つ効用のもととなる。
また、ワインはハーバード大学の研究によると、ブドウの赤い皮に含まれる色素が善玉コレステロールの増進と動脈の血液の循環を促す効用があるとの結果が出ている。フランス人がチーズやバターを常食にしているにもかかわらず、心臓疾患が少ないのはワインのおかげだという。ギリシャ人やイタリア人がヨーロッパの中で長寿なのは、地中海岸特産のオリーブやナッツ類を常用しているからである。
ブラジルの医学界でも食事療法は見直されつつある。ガン・センターやアインシュタイン病院では、患者の食事はこれまでの肉類に替わり魚が主体となり、さらにミルク、バターに替わって大豆、オリーブ、グレープジュース、緑茶のメニューが増えているという。また、スポーツ、ヘルスセンターでも体力消耗のあとの食事メニューを提供している。この動きは将来の食事産業の目玉商品となると言われている。
ロイセン博士が特に推奨する「長生きのための十種類」と適量は次の通り。
▼アベイア(麦)=悪玉コレステロールの減少および疾患に効用、FDAが実証済み。一日当たり四十グラムのフレークあるいは六十グラムの粉状。
▼にんにく=血圧低下、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やす。悪性腫瘍の予防。毎日一片。
▼オリーブ油=悪玉コレステロールの減少、マーガリンやバターの脂肪分を取り除き心臓の負担を軽減。十五ミリリッターあるいはスープサジ一杯を毎日。
▼ナッツ(カスタナャ・ド・パラー)=ピーナッツ類と同様、心臓疾患に効用、FDA実証済み。毎日三十グラムあるいは五、六個。
▼緑茶=悪性腫瘍、心臓病、腎臓胆石に効用あり。肥満予防にも一役。毎日四・五杯。
▼リンゴ=悪性腫瘍、心臓麻痺の予防、血圧低下。白内障などの眼病に効く。一日五皿。
▼魚=心臓麻痺や脳出血の予防。とくにイワシ、タラ、サケなど。間接炎の痛みやアルツハイマー病によるうつ症などに効果あり。最低週に百八十グラム。
▼大豆=心臓疾患に効果、FDAによれば常食することで悪玉コレステロールを予防。毎日百五十グラムの豆。
▼トマト=とくに前立腺ガン。毎日トマトスープを一さじ半。
▼ワイン(チント)=グレープジュースと共に善玉コレステロールの増進。動脈の脂肪分を取り除き動脈硬化や心臓病を予防する。毎日ジュースは二杯、ワインは一杯。さらにこれらの食品を常食する工夫として、台所の目につき易い所に置いておくこと。空腹になると誰しも一番先に視野に入ったものを口にする習性があるという。また、冷蔵庫に保存する場合、栄養価の高い物を前に並べておくこと。こうすれば食事を作る際に目に入り、使用度が頻繁になると博士は提唱している。