民間投資、預金が増える=金融界への信用復活=失業に備え貯蓄の動きも
7月1日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】本年第1・四半期での民間投資およびポウパンサ預金が著しく伸びていることで、金融・経済界が活況を呈している。
IBGE(ブラジル地理統計院)が発表したところによると、GDP(国民総生産)比で民間投資は一九・三%、ポウパンサ預金は二三・四%に達した。投資は過去二年半で、ポウパンサは九四年以来の最高記録を示した。これは今年のGDP成長率が三・五%と予測されていること、国際収支が黒字で推移していることなど、明るい材料の下で経済が活気を取り戻したのが原因とみられている。投資および預金の増加は、民間部門の金融界への信用が復活(コロル・プランによる銀行口座およびポウパンサ預金の凍結、外為相場の不安定、ポウパンサ金利の低水準などが不信を招いた)した兆候だと関係筋は喜びの色を隠していない。
ポウパンサ預金は本年第1・四半期でGDB比二三・四%の高率を示し、九四年のレアルプラン実施以来約十年振りに過去最高となった、これまでの最高は、同年第3・四半期の二七・三%だった。財政黒字、国民の収入が徐々に増えていることが原因とみられている。とくに失業が深刻な社会問題として人々の意識に広く浸透したため、いざという時に備えて貯蓄する動きが増えた。貯蓄の増加は一般消費の減少につながる訳で、IBGEの調査によると、例年年末のフェスタで消費が増えるため、翌年の始めにはポウパンサなどが減少するという。しかし本年は、消費が横ばいの上、貯蓄は増えたとの結果が出ている。
民間投資は過去二年半一八%台だったが、本年第1・四半期は一九・三%となった。それまでは〇一年第3・四半期の一九・六%が最高だった。金融筋はブラジルの場合二五%から二六%が理想的(中国が昨年一気に四七%という驚異的な記録を出したが、これは不均衡な数字)だとし、この先年率五%から七%の段階的上昇が好ましいとの見解を示している。
さらにIBGEは現在、国庫に五十二億レアルの国債準備高があることを明らかにし、これによって財政黒字、国際収支の黒字がさらに増加し、国内経済が潤い活発化するとの見通しを強めている。