6月30日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十九日】ブラジルでエリート校とされる生徒の学力が、世界で同レベルとされる学校の生徒のそれと比べ、はるかに低い水準であることが明らかとなった。これは、二〇〇二年に国際機関が全世界で一斉に実施した統一テストの結果によるもので、ブラジルは同じレベルとみなされる九ヵ国中最低の結果だった。また教育省は、名門私立校といえども同省が設定している学力基準に達しているのは生徒の三分の一にしか満たないと指摘している。
〇二年に国際学力検定プラン(PISA)が世界各国で行った統一試験の結果、ブラジルのエリート進学校の成績は、同レベルと見なされる九ヵ国中最低だった。カトリック大学リオ校がまとめた所によると、経済的、教育課程が同レベルのグループのうち基準に達した順に、フランス(五七%)、韓国(五五%)、アメリカ(五三%)、ポルトガル(四八%)、スペイン(四六%)、ロシア(三三%)、メキシコ(二七%)で、ブラジルは二一%だった。
教育省の調査では、同省が設定している学力基準に達しているのは私立校の生徒の二七・六%と三分の一に満たない。公立校ではポルトガル語が三・七%、数学が二・一%と、両校の間に教育レベルの大きな格差があることが示されている。
一方でリオ連邦大学によると、確かに私立と公立の間には全般的に格差があるが、学校によりレベルが異なる。同大学の二〇〇〇年の入試結果では、平均点上位二十校のうち十八校がリオ州でエリート校といわれる私立校が占めているが、逆に最下位グループ四校も私立校だった。さらに同大学の調べでは、私立・公立を問わず州内各校で授業内容が異なるという。これにより各校のランク付けは困難だとし、同じレベルに引き上げるよう教育省が指導するべきだとの見解を示している。