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一世整体師を強盗殺害=サン・ベルナルド・ド・カンポ=中国人4人の犯行か=義母シライさんも被弾死亡

6月22日(火)

  二十日夜、サンパウロ市近郊サン・ベルナルド・ド・カンポ市アウヴァレンガ区のシャーカラで、同市ジャルジン・ベラ・ビスタ区在住の整体師で農業従事者、秋丸繁美さん(七三)=山口県宇部市出身=と、義母のシライ・スエノさん(八一)が強盗に撃たれたと秋丸さんの妻タエコさんから同市第三警察に通報があった。二人は付近の病院へ運ばれたがまもなく死亡。二十一日付グローボ紙は現場を目撃した日系家政婦の証言から、犯人は四人組の中国人だったと報じた。

 同市第三アスンソン警察署によれば、強盗は午後七時三十分ごろ、シャーカラに侵入、秋丸さんと、シライさんを狙撃。その後、家政婦のイワサ・フルハタ・アイコさん(六五)、セジ・シゲミさん(七三)二人を縛り上げ、保管してあった三千レアルを奪って逃げた。もやし栽培の営農資金に当てられるはずのお金だったという。
 事件の連絡を受けたタエコさんは、アウヴァレンガ街道のガソリン・ポストから警察に通報、第六大隊駐屯地の軍警が現場まで同行したが、犯人はすでに逃走した後だった。
 秋丸さんは山口大学農学部を卒業。一九五七年十二月十七日、テゲルベルグ号で神戸港を出航。来伯後はサンパウロ市ボスケ・ダ・サウーデ区そばで農業に従事。もやし栽培の先駆者だった。その後、豆腐製造に手を広げ、サンパウロ市リベルダーデ区の中華料理屋や日系食料品店に卸し成功を収めた。
 サン・ベルナルド・ド・カンポ市内の自宅とシャーカラのほか、かつて内縁の妻だった日本人女性によると、サンパウロ市アクリマソン区、リベルダーデ区にそれぞれアパートを所有。また、ディアデマ市に三階建てのビル、ベルチョーガ市にも不動産があり、地元サン・ベルナルド市の日系人も「資産家」と一目置いていたという。
 秋丸さんの名刺の肩書きは、「養正会」日本矯体療術師協会サンパウロ支部指導所支部長。先の内縁の妻だった女性との間に娘(三六)が一人いる。
 シライさんについては二十一日時点で詳細は分かっていない。