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風邪に負けない体づくり=認識したいウイルスの存在場所

健康広場

6月16日(水)

 モジ・ダス・クルーゼス市在住の農業経営の男性M・Yさん(匿名希望、六三歳)から、「毎年、冬場には風邪ばかり引いて困っている。何か対策を教えて」との希望が寄せられた。そこで医学的な根拠や巷に伝わる風邪対策など様々な予防法を紹介する。
 まず、表1を参照しながら自身の体質をチェックして欲しい。
 さて、皆さんにはいくつ当てはまっただろうか。
 七個以上ならば、「風邪に罹り易い体質」。
 四~六個ならば、標準。
 三個以下ならば、「風邪にかかりにくい体質」といえる。
 それでは具体的に「風邪」の症状を探ってみよう。一口に「風邪」と言ってしまいがちだが、実は正式には風邪という病名は存在しない。鼻水が出たり、頭や喉が痛くなったり、37~38度の熱が出たりする症状を総称して「風邪症候群」と呼ぶ。
 また、風邪の中でも一番症状が重く、時には多数の死者を出すインフルエンザも風邪症候群の仲間だ。
 では、どうして風邪に感染するのだろうか――。
 風邪の90%はウイルスが、残る10%は細菌が原因となる。風邪を引き起こすウイルスや細菌が、鼻や口から侵入し、粘膜に付着。炎症を起こすことで鼻水や頭痛、発熱など風邪特有の症状を引き起こす。
 こうしたウイルスや細菌は元々、常に空気中に存在しているが、健康体を保っている人は感染する可能性は低い。
 ただ、現在の気候のように、気温が低くなり空気が乾燥してくると喉や気管支の粘膜がウイルスを排除する機能がにぶくなり、粘膜が傷つきやすくなるので要注意だ。
 また、前記した表で「風邪にかかりやすい」体質に分類される人は、体力や免疫力、抵抗力が落ちていると考えられる。
 ここで具体的に表1の各項目について解説しよう。
 1 皮下脂肪がないため、寒さを感じやすい。体温調節ができない。
 2 体の熱の放射率が低い。
 3 血管が収縮してウイルスの抗体の働きが鈍り、風邪を引きやすい。
 4 精神的に発散できず、自律神経が鈍る。
 5 ストレスがたまると副腎皮質の機能が低下、風邪予防に欠かせないビタミンCを吸収しない。
 6 ビタミンCを破壊する。
 7 栄養の吸収率が弱くなり、体力が落ちる。
 8 睡眠不足で体力が回復しにくくなる。
 9 低血圧のため、血液の抗体の力が落ちる。
 「風邪を引いている人が近くにいると移されるのでは」――と警戒する人も多いと聞くが、実はめったにないことなのだ。
 風邪のウイルスや細菌は感染力が弱く、風邪を引いている人が咳やくしゃみをしたとしても「飛沫感染」する危険性はほとんどないのが実情だ。
 では、どうして風邪を「もらって」しまうのか。ほとんどの場合は、風邪の人がウイルスや細菌をつけた手で触ったものを、他の健康な人が触ってしまい、その手で目や鼻、口に触れることで「接触感染」してしまうのだ。
 サンパウロでは、メトロやバスなどの公共交通機関を利用して移動する人は極めて多い。まず、日常生活で気をつけたいウイルスの危険地帯を紹介しよう。
 日常生活の様々な場所でウイルスが沢山、存在する場所としてはまず、カラオケ店のマイクが最多で4000個、次に公衆電話の受話器で3000個、さらにメトロやバスのつり革で1000個と続く。
 次回は風邪を引いた場合の対策と予防法などを探る。

 風邪にかかりやすい体質チェック

1  どちらかといえば痩せ型だ
2  あまり汗をかかないほうだ
3  よく肩がこる
4  会話をしていると聞き役になりがち
5  買い物の時、よく迷ってしまう
6  失敗をクヨクヨと忘れにくい
7  1日10本以上、タバコを吸う
8  食生活が不規則
9  夜、なかなか寝付けない
10 寝起きが悪い

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