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14日から国連貿易開発会議=世界貿易と貧困テーマに=注目されるG20の結束=サンパウロ市

6月12日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】国連貿易開発会議(UNCTAD)の第十一回通常総会がサンパウロ市で、十四日から十八日まで五日間開催される。今回は同会議が四十周年となることから記念式典も催されると同時に、同じく四十周年を迎えるG77の式典も併行して挙行される。開会式は十四日午前九時からルーラ大統領、アナン国連事務総長、各国の政府、企業代表者が出席して行われる。
 今回の総会のテーマはグローバルな世界貿易と貧困の追放となっている。特に注目されるのはWTO(世界貿易機構)で討議されている農産物問題で先進国と立場を異にしているG20(ブラジル、中国、インドなど)が結束し、どの様な態度で今後に臨むかである。また、貧困追放はルーラ大統領の選挙公約でもあり、当選後初めての国連議会でも提案している。これには世界各国からNGOの代表者らが参加し会場でキャンペーンを展開する予定だ。
 開会に先立ち十日、会場となるアニェンビー展示会場で国連旗が掲揚され、会場はあたかも国連自治領の様相を呈している。同日は本会議に先立ちG77の予備会議が行われた。G77は貧困国百三十二ヵ国からなり、先進国との格差を縮める目的で四十年前に結成された。
 十二日は、G77の会議が引き続き行われ、午前十時からG20の会議が開催される。G20は開発途上国で結成されており、ブラジルの他、農業輸出を中心とするアジア諸国が主なメンバーとなっている。
 十三日は、工業開発に関するパネル・ディスカッションが行われ、ブラジルからはジルベルト・ジウ文化相らが出席する。さらにアナン国連事務総長が民事裁判所を表敬訪問。
 十四日は開会式セレモニーの後、世界貿易のあり方、開発で生き残る道、開発技術、投資、観光産業、産業と貧困、産業促進と資本金の関連などにつき討議される。
 ブラジルの関係筋は、今回の会議はG20の存在を先進国にアピールするための重要な機会になるとし、これまで片寄っていた世界貿易を均一化するための具体的提案を行うべきだと指摘している。また、特に農産国で結成されていることから、現在WTOで取り沙汰されている輸入関税の問題については自国に有利となる立場を主張し、G20加盟国が一枚岩となる必要があると強調している。さらにマーケットを支配するカルテルを結成している国があるが、これらは全て排除して自由取引とすべきだとしている。
 同会議には五千人が参加すると見られており、サンパウロ市内のホテルは超満員の状態で、警察は警備に万全の体制をとるという。