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サメの実態調査を開始=92年以来16人が死亡、28人負傷

6月5日(土)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙五月二十九日】ペルナンブーコ連邦農水産大学は今月から定期的に、ペルナンブーコ州近海に出没するサメの実態調査を行う。
 同州では九二年以来、サメに襲われて十六人が死亡、二十八人が負傷している。最後の襲撃では、ジャボァトン・ドス・グァララーペス海岸で週末の二十四時間以内に二人が襲われている。学生のナイアーネさんは大たい部とでん部をえぐり取られたように噛まれ、十七才の男性は腕と左足を食いちぎられた。これにより観光を目玉にしている同地区は〃海のギャング〃に戦々恐々の状態である。
 これを受けて同大学は同州当局の協力を得て、サメの被害をなくすため調査船を定期的に出航させ実態を調査することになった。最初の調査船は五月二十八日に出航して五日間調査を行う。その後十五日毎に満月と新月の時期を分け、潮との関係を見る。さらに、サメの周遊経路や食べ物などを分析するため、四キロの長さの釣り竿でサメを捕獲する予定。第二回目は六月七日に予定しているが、その時は捕獲範囲を広げる意味で、八キロの長さの竿を使用する。
 同調査団は一応六ヵ月の間に調査結果を出したい意向で、その間、海底の状況・サメのエサの動向などを割り出したいとしている。またサメが襲った場所がいづれも腰までの水深の浅瀬であることから、同州近海の大陸棚に何らかの変化があったと予想している。
 同大学調査船は一九九四年、ブラジル南部海岸で出没し、被害をもたらしたサメ退治に一役買っていることから今回の成果も大いに期待されている。