6月5日(土)
[神戸新聞五月三十日]独立行政法人国際協力機構(JICA)が、中南米の日系社会を支援するため、子どもを対象にした日本語教育の教科書を作成している。初級前半「にほんごドレミ」に続いて、同後半「にほんごジャンプ」が完成。国内でも日系人の子どもの日本語学習に役立ててもらおうと、販売を始めた。(宮沢之祐)
日本語の学習者は大人が大半を占めるが、例外は中南米の日系社会。戦前から子どもたちに日本の国語教科書を使って日本語を教えてきた。しかし世代交代が進み、日本語を「外国語」として教える新しい教科書作りが課題になっている。
子ども向けの教科書はごく少ない。前身が移住あっせん団体だったJICAは教科書作成を海外日系人協会に委託。JICA派遣の日系社会青年ボランティアのOBらが編集を担った。
完成した二冊はいずれもA4判で、ドレミは百五十七ページ、ジャンプは百七十三ページ。イラストを多用し、会話を促す場面設定や、年齢に合わせた話題を重視している。それぞれ指導書もある。
神戸市出身でブラジルで活動中の同ボランティア遊川章宏さん(31)はドレミで教えており、「文字が少なく、子どもがとっつきやすい。文型を積み上げて教える教科書ではないので、学習項目を自由に設定できる」と評価。
「日本国内で短期間に日本語を学ぶ子どもに向いている」と指摘するボランティアもいる。
ドレミ千五十円(指導書三百十五円)、ジャンプ千百五十五円(同四百二十円)。送料別。海外日系人協会日本語チームTEL045・211・1784